Amazonプライムにどっぷりの私が次に何を見ようかと探していたところ見つけたのが、Amazonオリジナルドラマ「マーベラス・ミセス・メイゼル」。
(Amazonプライムより)
このドラマ、なんでも2018年9月に発表された第70回エミー賞の『プライムタイム・エミー賞』のコメディシリーズ部門で最多5冠を受賞した作品とのこと。
それなら見てみるか、と思い早速視聴しました。
で、一言で感想を言うと、
主人公のミッジに全く感情移入ができない
そう思うのはきっと多分私だけじゃないはず。
多分日本の子供を持つ多くの女性が同じように共感できないんじゃないかぁと思います。
それでは、何故私が「マーベラス・ミセス・メイゼル」に共感できないのか、あらすじも含めて理由を詳しくお伝えします。
まずは「マーベラス・ミセス・メイゼル」を知らない方のために、簡単にあらすじを。
舞台は1958年のニューヨーク。主人公ミリアム(通称ミッジ)・メイゼル(レイチェル・ブロズナハン)は、二人の子を持つ裕福な家庭のユダヤ人専業主婦。
夫のジョール(マイケル・ゼゲン)は社長の息子であり、シーズン1では叔父の会社の副社長を務めているビジネスマン。
いつかはコメディアンとして成功したいと、夜はカフェ「ガスライト」でスタンドアップコメディの舞台に立っている。
ある夜、舞台がうまく行かなかったジョールは秘書と不倫関係にあったことをミッジに告白し、突然家を出て行ってしまう。
ミッジはショックのあまり酒を飲み、一人で「ガスライト」へ向かう。酔っぱらったまま成り行きで舞台に上がり、自分の話を始めると客に大うけ。
コメディエンヌとしてのミッジの才能に気付いたガスライトの従業員のスージー(アレックス・ボースタイン)と共に、ミッジはコメディの世界で生きていくことを決心する、というもの。
先に「マーベラス・ミセス・メイゼル」の良かった点を。
とにかく主人公のミッジ(レイチェル・ブロズナハン)がキュート!
ミッジのくるくる変わる表情や動き、髪型、衣装がとにかくかわいいです。
服と帽子、手袋の形や色など、とってもセンスがよく、見ていてうなります。
小物や家具、ミッジ以外の他の出演者の衣装もとってもステキで、50年代最高!と思ってしまうぐらい。
ミッジが働くことになる百貨店のシーンなんて見ているだけで楽しくなっちゃいますよ。
そして音楽。
私は音楽はあまり詳しくないですが、毎回素敵な音楽がドラマを盛り上げてくれ、見終わった後はいい余韻に浸れます。
ハラハラドキドキものではないので、そう、軽い気持ちで見るのにはとってもオススメなドラマです。
では、共感できない理由を。
第1話でこそ料理をしていたミッジ。
実家に出戻ったからか、仕事を始めたからか、その後は全く家事をしません。
実家は上流階級なので、お手伝いさんもいるし家事はしないにしても、育児もしません。
子供はまだハイハイもできない乳児と3歳の男の子(シーズン1当時)ですよ?
このぐらいの子供は本来なら常に目が離せず、メチャメチャ手がかかるはず。
なのに、ミッジはエクササイズ教室に通い、買い物も優雅に一人で行き、自分の体型をキープのため毎日身体をメジャーで測って記録し、いつも高いヒールを履いているぐらい超余裕の生活。
シーズン途中から働きに出るので、昼間は両親やシッターに預けるのですが、夜は夜で、自分の出演やコメディの勉強のために毎晩遅くまで出歩き、深酒もします。
う~ん。
夜も子供はほったらかしかぁ。
母親でも自分のやりたい事を見つけ、邁進する姿は確かに素敵ですが、夫が家で子供を見ているならまだしも、夫とは別居で、実家で生活している人の行動だと思うとなんだかモヤモヤするのは私だけではないハズ。
ドラマだからしょうがない?
それともアメリカではこれが普通なのか、上流階級だから考え方が違うのか?
シーズン2でミッジの母がパリへ行ってしまった時は、父とミッジでパリへ迎えに行きます。
パリですから泊まりで何日もかかるだろうに、やっぱり子供は連れて行かない。
そして夏には2か月も家族でリゾートへ行きますが、子供はシッターに預け(?)自分はゲームをして遊んだりデートをしたり、ほとんど子供の面倒は見ません。
極めつけは、コメディの巡業。
このエピソードはまだ放送されていないシーズン3の内容になりますが、6か月の地方巡業の申し出を二つ返事で快諾します。
他にも食事は別だったり(これは時代なのかも)、公園シーンは子供1人しか連れていなかったり、「?」と思うシーンは山ほどありますが、小さい子供がいるのに、ほとんど育児シーンが皆無。
そんな生活なのにミッジが舞台で「やんちゃな息子を見なきゃいけない」なんて愚痴を言っても、「アナタ全然見ててないから!」って突っ込みたくなるんですよね。
私も子供が2人いるので、共通点があるのはずなのに、考えも行動も余りにも違うので、全く感情移入も共感もできないんです。
せっかく夫に捨てられたシングルママ(正式に離婚はしていないけど)でコメディアンっていう設定なのに、ただのお嬢様が自分がやりたいから漫談をやっている、にしか見えない。
その辺の描写がちょっともったいないかなとは思います。
これは趣味もあると思いますが、私は基本的にアメリカンジョークもスタンダップコメディもあまり面白いと思ったことがありません。
だからか、ミッジの漫談が全然面白くない。
後にマネージャーとなるスージーが「才能がある!」って言ったって、「どこが?」って思ってしまいます。
ミッジの漫談の内容も、家族のネタだったり下ネタだったりで、聞いていてあまり面白いものではありません。
女性の地位が低く、女性が意見を言えなかった時代に女性漫談家として成功したいなら、そこはあえて下ネタ系は避けて欲しいし、堂々と笑えるネタで勝負してほしいな、と思いました。
実際にモデルがいるので、脚本的にそうはいかないとは思うのですが…。
本来ならスカっとするはずの漫談のシーンが、下ネタや暴露話でモヤっと終わることが多く、思っていたドラマと違うなぁ、なんて気分になりました。
始終モヤっとしてしまうのに、見続けてしまうのは、魅力的な登場人物たちがいるからかもしれません。
スージーに「ダメ男のカタログから切り取ったような甘ったれたガキ」と言われるほどのダメ男の夫・ジョール(マイケル・ゼゲン)ですが、確かに最初は、浮気したクセに勝手に出て行くなんて本当にイヤな奴だと思いました。
でも見ている内に少しづつジョールがかわいく思えてきます。
ダメ男だけど回を追うごとに努力もして、見ているこちらも段々惹かれてくるんです。
“イケメン”という感じの俳優さんではありませんが、色気があり、不倫する女性の気持ちもわからなくはないぐらい魅力的です。
他にもミッジのパパやママ、スージーや他の出演者も魅力的でドラマの内容より、そっちの方が惹かれるぐらい。
共感はあまりできないドラマですが、ジョールの成長を見るだけでも見る価値はあると思って、シーズン1,2に続くシーズン3も期待しています!
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